2011年7月23日土曜日

7/23

秋田 Book Boat企画「百杯会特別編」
ゲスト関連の新刊をご紹介いたします。


まずは牧野伊三夫さんが発行人を務める「画家のノート・四月と十月」から
新しく、四月と十月文庫が発刊されました。
こちらは鎌倉の出版者『港の人』との共同出版です。






一巻目は「四月と十月」本書での連載でお名前を目にした方も多いかと思います、古書店「えびな書店」店主の蝦名 則(えびな のり)さんによる
本・絵画・音楽・旅をめぐるエッセイです。
ひろく芸術に通じ造詣の深い著者ですが、
読み手としては登場する芸術家や音楽家を全く知らなくてもぐいぐいと読み進めることのできる1冊です。
恐らくは、著者の持つ冒険心や探究心が私たちをいざなってくれるからではないでしょうか?
牧野伊三夫の装丁も非常に美しい。
                                       (港の人刊 税込1,260円)





次は発売になったばかりの木村衣有子さんの新刊です。

武田百合子『富士日記』、町田康『猫にかまけて』、
浅生ハルミン『私は猫ストーカー』などなど、読めば
一生モノの「猫文学」をセレクト。猫と本をこよなく
愛する人のための、心に沁みるブックガイド。(帯より)


しかしこの本は猫好きの為の本ではないので手ごわい。

猫が登場する文学を取り上げてじっくりと観察して
いるわけだが、そこには取り上げられている猫文学の
著者への、あんたの暮しには猫が登場するけど、
本当に猫好きだったの?という木村さんからの問いが感じられたり、一読しただけでは受け入れがたい様な文章に溢れていて猫好きの気持ちをいたく揺さぶる。


本当に、木村衣有子は凄い所へ行った。などと、
なんだか良くある表現で書いてしまうぐらい、
今の私の心の中での木村衣有子は大正・昭和の小説家や随筆家と同じ所に並んでいる。


「猫の本棚」に登場する本…武田百合子「富士日記」/上野暸「ひげよ、さらば」
大島弓子「綿の国星」/大佛次郎「白猫」/町田康「猫にかまけて」
小沼丹「黒と白の猫」/保坂和志「猫に時間の流れる」/トーベ・ヤンソン「ムーミン谷の彗星」/吉本隆明「なぜ、猫とつきあうのか」/浅生ハルミン「私は猫ストーカー」etc…
(平凡社刊 税込1,470円)

木村さんの自費出版本「味見はるあき」(木村半次郎商店発行)も当店で販売中です。